市丸博司のPC競馬ニュース ASADA
 第428回 2014.2.28

勝てそうな馬が勝っても波乱の中山記念に?

 今週は中山、阪神に開催が替わり(小倉は継続)、中山競馬場では中山記念が行われる。延期前の東京新聞杯もそんなところはあったのだが、今年の中山記念はかなりの好メンバー。「有力馬を5頭選べ」と言われたら、なんとまあ困ること。これが「自分の予想上位5頭を教えてくれ」なら適当に区切りをつければ良いものの、客観的に「有力馬」と言われると難しい。ふだんなら、近走成績や過去の実績、そしてコースの相性など。さらに下馬評などを加味して簡単に5頭が決まることもあれば、3頭は決まるけれどそれ以上は、というレースもあり。しかし、ふだんの「有力馬」判断基準をクリアする馬が山ほどいるレース、というのはそう多くあるものではない。

 今年のメンバーをパッと見て、(休み明けの今回いきなり走るかどうかは別にして)中山3戦3勝の皐月賞馬・ロゴタイプは「まず入る」と考えられた馬だった。また、広いコースばかりしか経験がないとはいえ、前走でG1・天皇賞(秋)を勝っているジャスタウェイもそんな1頭だ。
 とりあえずこの2頭は確定として、あとはアイウエオ順に上から見ていくと。アユサン…桜花賞馬だなあ。アルキメデス…4連勝中だなあ。ヴェルデグリーン…中山好相性で重賞2勝だなあ。もうこのあたりで、とても6頭7頭では収まらない雰囲気がただよってくる。
 さらに。エアソミュール…中山芝1800m含むオープン2連勝中だなあ。カレンミロティック…前々走でG2圧勝してるなあ。サダムパテック…G1馬だなあ、中山は弥生賞を勝ってるなあ。ダークシャドウ…G1連対馬だなあ。ダイワファルコン…中山好相性、去年の2着馬だなあ。ダイワマッジョーレ…前々走G1連対馬だなあ。トウケイヘイロー…香港C2着だなあ。ナカヤマナイト…去年の勝ち馬だなあ。マイネルラクリマ…最近大きくコケたの前走だけだなあ、今回56キロだなあ。ユールシンギング…前々走で中山のG2勝ってるなあ。

 さて、ここからどう選べ、と。こうなると、たとえG1であろうとちょっと古い実績とか、1年以上前の中山でのオープン・重賞実績、3歳限定戦の成績などは、(予想はさておき「有力馬選定」の中では)ほぼ無視して残る3頭を選ぶしかない。逆に言えば、そういった「振り分け」から落ちた馬の多くが「走っておかしくない要素」は持っているもので、「終わってみれば大波乱だけど、例年の中山記念ならあっておかしくない組み合わせ」で決着する可能性もあるだろう。
 たとえば、08年の1番人気(3着)はエアシェイディ。後に有馬記念3着2回はあったものの、当時は前走のアメリカJCCが重賞初制覇だった。年齢差があるので重賞連対数に違いはあるものの、今年でいえばヴェルデグリーン(中山重賞2勝、前走アメリカJCC1着)が1番人気に推されるようなものである。また、10年の1番人気キングストリート(7着)は、中京、東京で1000万、1600万2連勝での1番人気。長期休養があったとはいえ、別に連戦連勝だったわけではなかった。今年で言えば、このコースを含むオープン特別2連勝のエアソミュールのほうが実績面では上である。結果的には2頭とも勝てなかったのだが、勝ち馬なら12年3番人気のフェデラリスト(4連勝、前走中山金杯で重賞初制覇)と、今年のアルキメデスが近いところだろうか。そのアルキメデス、今回上位人気はあるかもしれないが、そう◎が多くつくような位置にはいない。
 ともあれ、とにかくG2、中山記念としては珍しいほどの好メンバーが集結したのが今年の一戦。出走馬だけを見せられて「少し手薄だけど宝塚記念です」と言われたら、もしかしたら信用してしまうかもしれないほどだ。いっそ、G2ではなくG1と考えるという手もあろうが、そこは斤量差もあれば目標の違いもあるというもの。G1以上に隙があっておかしくない。さて、みなさんはどの馬を選ばれるだろうか。また、「一時雨」「一時雨」「一時雨か雪」という金〜日曜の予報も気になるところ。重馬場で行われた06年の勝ち馬は、6番人気のバランスオブゲーム。そして不良馬場となれば10年、13番人気トーセンクラウン→12番人気テイエムアンコールという強烈な決着もあったのがこのレースだ。

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Gおやせら