市丸博司のPC競馬ニュース ASADA
 第426回 2014.2.14

関西馬の多い東京新聞杯と少ないクイーンC

 先週は東京新聞杯が順延となり、今週(というか実際は来週だが)月曜にまわってきた。また今週も、土曜のクイーンCが雪の影響を受けないか少々不安なところだが、予定通りならこの土〜月曜は4重賞になる。このうち、京都記念に関東馬が少ないのは特に珍しい話ではなく、共同通信杯の関東馬7頭、関西馬4頭というのも、年にもよるとはいえ、「まあこんなもの」という範囲内だ。ただ、残る2レースにはちょっと偏りがあり、16頭立てのクイーンCに出走する関西馬はシュヴァリエ1頭だけ。そして東京新聞杯は関西馬10頭、関東馬6頭と、G1ならまだしもG3で関西馬が非常に多いという一戦になった。

 そこで。似たような年はどんな結果だったのかをちょっと探ってみたくなった。まずは東京新聞杯から。過去10年、16頭立てが8回、14頭と15頭が1回ずつと、今年の16頭と大差ない頭数で行われている。このうち、関東馬の出走が6頭以下だったのは11年と12年。最近のこととはいえ、過去10年ではこの2回だけである。それぞれの年を見ると、関東馬の最上位人気は5番人気。頭数に比例してというか、関西馬優勢の傾向そのままというか、なんにしても下馬評では関西馬が有力という雰囲気だった。
 ところが。この2回の勝ち馬はというと、11年が5番人気(関東馬最上位人気)のスマイルジャックで、12年は8番人気(関東馬2位)のガルボ。なんとまあ、関東馬の出走が少ない年に、きっちり関東馬が勝っていた。ちなみに関東馬は10年で6勝を挙げており、残る関東馬の勝ち馬4頭の人気は7、11、5、2。関西馬の4勝は1、1、6、2番人気なので、関東馬が勝つなら人気薄、関西馬が勝てば人気馬、という傾向。要は、多く出走する関西馬に上位人気を占められても、関東馬にとっては実はあんまり関係ないかもしれないのだ。今年はちょっと人気が読みづらいところだが、上位人気になりそうな関東馬はコディーノかサトノギャラントか。ただ、その他の4頭もサクラゴスペルは昨年の安田記念5着、ホエールキャプチャは東京コース好相性、レイカーラは底を見せておらず、レッドスパーダは10年のこのレース優勝馬だ。もちろん、今年の強力な関西馬勢とこれら関東馬を比べてしまうと苦しそうにも思えるが、だからこその中〜下位人気。一発穴狙いで人気のないほうの関東馬を1着候補に据える手もありそうだ。

 一方のクイーンC。こちらは1頭だけという年はなく、2頭が12年、3頭の年が07、09、10、11年となっている。この3頭の年は関西馬合計【0.0.1.11】と、この数字を見ると狙いづらい。しかし、2頭の年に勝ったのはお馴染みヴィルシーナだった。そもそも頭数に関係なく、過去10年で優勝した関西馬はダイワエルシエーロ、ライラプス、リトルアマポーラ、ヴィルシーナで、ライラプス以外は後のG1馬である。牡馬に比べ輸送に気を遣うという関西馬、そして目先の桜花賞を考えればわざわざ東京に来る必要もないのだが、そんな中で遠征して勝ち星を挙げるくらいなら、という部分もある。
 ちなみに、10年以上前、かつ90年以降に優勝した関西馬はスカーレットブーケ、エイシンバーリン、イブキパーシヴ、オレンジピール。G1勝ちには至らないものの、それぞれ存在感を示した馬ばかり。この時期に重賞を勝つのだから当たり前、とも思えるが、実は関東馬の優勝馬を見ると、そうでもない。もっとも、今年のシュヴァリエは、これまでの戦歴からすると苦しそうな馬。ただ逆に、初の芝1600mで変わり身を見せたとなればそれはそれで……、という話にもなってくる。牝系からすれば、距離が延びて悪いことはなさそうな馬なので、今後G1候補になる可能性を感じるなら、ちょっと狙ってみてもおもしろいかもしれない。

>>BACK >>HOME

Gおやせら