市丸博司のPC競馬ニュース ASADA
 第422回 2014.1.17

Windows8タブレット、再び

 一昨年の秋あたりから、いくつかのメーカーから10インチのWindowsタブレットが発売され、今年に入ってここでもそんな話題を取り上げた。当時の印象としては、Androidタブレットを使った後なら、ペンやマウスでの操作前提で、この大きさでWindowsが(あるいはターゲットが)動けばそれでいいよなあ、というところもあったのだが、WindowsのノートPCからの流れで入ってくると、「ちょっとデスクトップアプリを使うと遅いんだよね」という印象もあった。
 それから1年。昨年秋には主にタブレット向けの新CPUがインテルから発売され、処理速度が大幅に向上(したらしい)。また、そのCPUを採用した10インチのWindowsタブレットもいくつか売り出され、以前「富士通がペンつきのを出してくれていれば」と思ってから1年遅れで、(ちょっと高いが)「QH55/M」が発売されたりした。パソコンの体感速度はCPUだけではないのだが、どうもレビューやらなにやら見ていると、これは先代よりもかなりしっかり動いてくれるらしい。

 と、そんな流れとは別に。最近話題になっているのが8インチのWindowsタブレットである。そもそもなんで最初から8インチがなかったのか、といえば。Windows8をしっかり使うためには云々という中で最低1366×768の画面が必要で、その関係で10インチまでだったのだろうが、これがWindows8.1になって要件が緩和され、現在発売されている8インチタブレットは1280×800ばかりである。
 そして。画面が小さくなれば値段も安くなる……、とは限らないが。このWindowsタブレットの場合はそんな形で価格が形勢されており、DellやAcer、Lenovoあたりで4万円前後。当初は高かった東芝の製品も店によっては4万円台で買えるようになっているようだ。これを「タブレットで4万円は高い」とみるか「Windowsが動いて4万円なら」と考えるかは用途次第なのだろうが、Androidタブレットでは困るパソコン競馬ファンとしては「気になる」、そして「手を出しやすい」ゾーンには入っていると言えるだろう。

 ただ、やはり気になるのは8インチという小さい画面に、1280×800で表示して「読めるのか」「タッチできるのか」ということ。7インチクラスのAndroidタブレットで同じような解像度でも、ブラウザでWebサイトを見たり、メールを読む分には別に困ることはない。これはWindowsになろうと同じで、ブラウザなり、ストアアプリのメールソフトを使って入れはば問題ないだろう。
 ただ。従来からあるデスクトップアプリを使おうとすると、元々がマウスでの操作を前提としていたり、ノートでも12インチ以上くらいの画面サイズを想定して作ってあるものゆえに、そのままでは文字が小さく読みづらかったり、マウスなどを併用しないと使いづらかったりする場面もありそうだ。また、レビューなどを見ていても「ブラウザゲームには最適」といった書かれ方をされている一方で、デスクトップアプリを使ったらどうなのさ、という話にはあまり触れられていないのは気になるところだった。

 と、想像であれこれ考えていても、実際に使ってみたらどうなのかというのはわからない。そこで。当方が持っているAndroidタブレット(7.7インチの1280×800)で、Windowsの画面を表示してみた。このくらいのサイズのタブレットを持っていれば、実際に操作はできなくても、Windowsの解像度を1280×800くらいに変更して画面キャプチャをSDカードなりメールでタブレットに送れば、だいたいの大きさは掴むことができるだろう。
 また、WindowsがリモートデスクトップのホストになれるOSなら(8/7のProや、VistaのUltimateなどならなれる)、Androidタブレットにリモートデスクトップのクライアントソフトをインストールし、Androidタブレット上から実際にWindowsを操作することもできる。ちょっとややこしい話にはなるので、万人にはお勧めしかねるが、このあたりなどに接続方法などは解説されているので、参考にしていただきたい。

 そして。実際にAndroidタブレットからリモートデスクトップでWindowsに繋いでみると……。動きが遅いのはリモートデスクトップでは仕方ないとして(タブレットの性能の問題か、Windows同士よりどうしても遅くなる)。やはり想像通り、タブレット上のタッチ操作でWindowsのデスクトップアプリを使うのは相当難しい。そして、ターゲットを動かすと、初期設定のままでは出馬表や成績画面で馬名を読むことすら、かなり頑張らないと苦しい感じになってくる。
 実は、タッチしづらいだけなら、Dellの8インチタブレットで、オプションのペン(デジタイザ)を使えばいいかななどと思っていたのだが(その後、ASUSからも発表された)、さすがに文字が小さいというのはいかんともし難い。もちろんWindowsやソフトの設定で文字を大きくすることも可能なものの、元々が1280×800と最近のWindows機としては解像度が低めのところに、文字を大きくしてさらに表示できる情報量を少なくしてしまうと、不便に感じるところもあるだろう(特に競馬では)。
 もっとも、そのあたりは割り切った上で。たとえば、地方競馬のネット中継をAndroid機で見ようとすると、どうもうまくいかないことが多いんだよなあ、なんてこともあるわけで(Oddsparkで対応しているが、全画面にならないことがあったり、再生が止まったり、自分の環境ではどうも安定しない)、そのあたりの動画再生機兼、Windows機の予備の予備くらいとして、今使っているパソコンの横に置いておく分には悪くないかもしれない。また、競馬は競馬として、他の用途ならこのサイズでも問題ない、むしろこのサイズがありがたい、という方もあるに違いない。いずれにしても、自分がよく使うソフトが「8インチの1280×800」という画面で、どんな表示になるかをしっかり確認して、あるいは覚悟した上で購入しないと、いくらWindows機としては安いといっても後悔することもありそうだ。
 と、ケチをつけるような話になってしまったが。ここまで書いておきながら、それでもちょっと持っておくには悪くないかもなあ、と思ってしまう、なんといってもWindows機の4万円台。もしかしたら1、2カ月後には「買いました」なんて話になっているかもしれない。


>>BACK >>HOME

Gおやせら